文具のプロの使い方〜リフィルパッド編
ASHFORDの新作デザインリフィルパッド。
ステーショナリーディレクターとしてご活躍されている
pen-info 土橋 正さんにじっくり使い方をレクチャーして頂きました。
「シンプルだけど使い方色々なリフィルパッド」
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システム手帳の「システム」という言葉を調べると、「多数の要素が集まってまとまりを持った組織や体系」とある。なんだか難しく感じるが、確かにシステム手帳には様々なリフィル(要素)を入れて自分なりの体系としての一冊を作り上げている。その意味ではやはり「システム」な手帳である。このリフィルパッドは、そのシステム手帳を構成するリフィル以外の一つの要素を取り出したというものである。
■ シンプルな構造、だけど新しい
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バイブルとM6の2サイズがある
少し厚めのPPボードにリングユニットをガチャンと取り付けて固定されている。言葉で説明するとわずか35文字で済んでしまう。実にシンプルだ。しかし、使ってみるとわかってくるが、色々な可能性に溢れている。
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バイブルのリフィルパッドにリフィルをセットしてみる。システム手帳という感じはあまりせず、「むきだし感」というものがひしひしと伝わってくる。手にとってみると、とても握り心地が良い。そのためか何かをとても書きたくなってくる。そう思わせるのは、おそらく余計なものがないせいなのだろう。なんと言っても、表紙がない。リフィルがすでにスタンバイ状態になっている。手にしたその瞬間からすぐに書き出せるのだ。まるでジョッターのような感じだ。また机にポンと置いた時もすぐに書き出せるメモパッドのようでもある。すぐに書き出せるというのは、このリフィルパッドの大きなメリットといえる。
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1ページ目を書き終わって2ページ目をめくる時、めくったページを後ろ側に折り返すことができる。さすがにリングノートのように完全に折り返せることではないが、片手で握れる状態にはなる。手に持ったまま書き進める時には助かる。机の上で書く時は、折り返さずめくっていくだけでいい。
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なんかこれは自分にしっくりくるぞと思っていたら、これは片面筆記専用となっていることに気づいた。このリフィルパッドは開いたページの右側だけの片面筆記となる。私はシステム手帳においては、根っからの片面筆記派を貫いている。その良さをあげるといくつもある。たとえば、右側だけを書いていればペンを持った手は決してリングにあたらない。リングから解放されて思う存分ペンを持った手を動かせる。また、裏面に書かないので、1枚のリフィルを1シートのように扱え、1枚に一つのコンテンツだけを書きやすくなる。こうしておくと、あとでページを編集して入れ替えて、パラパラとめくっていっても流れがスムーズになる。裏面に別なコンテンツを書いてしまうと、その流れに余計なものが混ざってしまうことになる。余計なものがなければ自分が書いた情報の純度を高められる。こうした片面筆記がこのリフィルパッドでは、ある意味自動的にできるようになるのだ。
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このリフィルむきだしスタイルを活かして、アシュフォードの小口がローズゴールドになったリフィルをセットしてみた。これが実によく似合う。むきだしというシンプルスタイルな中にもアクセントが生まれる。個人的にはローズゴールドもいいが、別な小口カラーも楽しんでみたい。たとえば、ネオンイエロー、ネイビー、レッド、グレー、ブラックなどがあったら嬉しい。プロジェクトAはネオンイエローを束ねて綴じ込み、プライベートはネイビーといった具合にリフィルごとの使い分けもできるようになる。表紙はないが、小口がその目印になる。
* ■ プロテクターを付けると別な顔に
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リフィルむきだしの良さを色々と語ってきたが、人によっては書いたものを隠したい方もいると思う。そういう方は、付属アクセサリーのプロテクターを付けるのがいい。一番上にこれを取り付けるだけで、見た目の印象はガラリと変わる。ちょっとよそ行き仕様になる。
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ただ、このプロテクターを付けると先ほどのようにめくったページを後ろに折り返すことはできなくなってしまう。折り返せはしないが、めくったページを開きっぱなしにしてページを書き進めることはできる。
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しかし待てよ。このハード仕様のプロテクターを少しソフトな素材にしたならば、折り返しもできるようになるかもしれない。書いたページを表紙で隠し、折り返せるようになるそんなプロテクターもあってもいいかもしれない。
試しにお気に入りの紙であるドイツ グムンドの紙で表紙を作ってみた。なかなかいい顔になった。しなやさかもあるので折り返しもできる。
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グムンドの紙をバイブルサイズにカットしてパンチで穴を開けた。
そして、活版活字ハンコをおしてみた
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「ルガード ストレッチペンホルダー」も付けてみた。完璧だ!(個人の感想です)
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紙の表紙ならこうして折り返して使っていける
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システム手帳は色々と詰め込められる良さがある。ただ、その分どうしても分厚く重くなってしまう。デスクの上で腰を据えて使うのが中心ならそれでもいい。しかし、時には外に持ち出してフィールドワークをすることもある。そうした時にはちょっと負担だ。このリフィルパッドは書くための必要最小限の構成にできるので、外に持ち出しやすくなる。また、ミーティングに頻繁に出席するといった時もリフィルパッドにミーティングに必要なスケジュールページ、そしてメモするためのノートページといった具合に綴じ込めば、シンプルなスタイルにまとめられる。この様にメインで使っているシステム手帳の要素を取り出したり、単体のリフィルパッドとして軽快に使うなど、システム手帳の用途に幅を広げてくれるアイテムになってくれる。
何より、余計なものがないので「書くことに集中」させてくれるのが個人的にはいいと思っている。
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