ASHFORD Story_16 / 強く美しき「海のパール」人生を彩るガルーシャのシステム手帳

連載「ASHFORD Story」では、アシュフォードのシステム手帳とその背景にある物語を熱く語りながら、無限に広がっているシステム手帳の楽しさをお伝えしています。

今回は、海の神秘とつながるエキゾチックレザー「ガルーシャ」の魅力と、「グルービングガルーシャ」の特長について。

ビーズを散りばめたようなナチュラルな輝き

ガルーシャの最大の魅力は、ガラスビーズを散りばめたような美しい輝き。ナチュラルな光沢感から「海の宝石」などと呼ばれています。その凛とした佇まいは、まるで「海のパール」です。
「ガルーシャ」とは毒針を持つ海の生物エイの一種「アカエイ」の革のことです。自然の産物のためビーズの大きさや密度に個体差があり、ひとつとして同じものがありません。特にエ0イの背中の中央に1匹1つしかない貴重な部位「スターマーク」は唯一無二のもの。真珠を連ねたようなデザインに個性が現れ、私だけの手帳の証となります。ちなみに「スターマーク」は欧米では「スティングレイハート」、中国では「天眼」などとも呼ばれています。

日々携帯する手帳にふさわしい耐久性と耐水性

美しいだけではありません。ガルーシャはとても硬くて丈夫。「100年もの」と言われるほどの強度を持っています。ガラスビーズのように見える表面の粒々は、エイが外敵から身を守るために育まれた「楯鱗（じゅうりん）」というウロコ。人間の歯と同様のエナメル質（リン酸カルシウム）で、尖った爪やペンの金具が当たってもなんのその。とてもキズが付きにくい優れものです。
海洋生物ならではの「耐水性」も大きな魅力です。日々持ち歩く手帳は、雨粒、濡れた傘、グラスの水滴などなど水濡れの危険にさらされるシーンが多いもの。でもガルーシャなら大丈夫。水滴に触れてもすぐに拭えば何事もなかったかのよう。少量の水分なら染み込んでしまってもほとんど変質することなく、しっかり乾燥させれば元に戻ります。
毎日持ち歩いてもビクともせず、むしろ使えば使うほど自然に手で磨かれて光沢が増し、風合いも深みも増していく。メンテナンスいらずで美しさが持続するガルーシャは、人生に寄り添う手帳にふさわしい素材です。
※泥などで汚れてしまった場合は、柔らかい布を一度濡らして固く絞り、優しく拭くことで目立たなくなります。

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原材料の「アカエイ」は毒針を持つ海洋生物エイの一種です。主に南シナ海やインド洋北東に生息し、食用や医療用に使われたアカエイの皮を有効活用しています。

フランスの伝統工芸にちなむ「ガルーシャ」という呼び名

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エイ革の呼び名には「ガルーシャ（Galuchat）」「スティングレイ（Stingray）」などがありますが、アシュフォードでは「ガルーシャ」と呼んでいます。その呼び名の由来は、18世紀に活躍したジャン・クロード・ガルーシャ（Jean-Claude Galuchat）というフランス人の革職人の名前です。彼は刀剣の柄や鞘にエイ革をあしらう技術を家具や小物の装飾に取り入れ、大きな話題を呼びました。それが時のフランス国王ルイ15世（肖像画上）の目に留まって御用達となり、愛妾ポンパドゥール夫人のために宝石箱を作った記録も残っています。以来、エイ革は「ガルーシャ」と呼ばれヨーロッパで流行しました。その響きには、エイ革が王族や貴族に愛される貴重な芸術品であったことが感じられます。

気持ちの良い端整なステッチ

ガルーシャはとても硬く個体差があり、裁断も漉き（革を薄くする工程）も、組み立てにも特別な技術が必要です。縫製の針はガルーシャ表面のエナメル質の下にある繊維層まで貫かねばならず、そのままではミシンの針が折れてしまいます。そこでアシュフォードの「グルービングガルーシャ」では、ステッチを入れるための溝をミリ単位で削り入れてから縫製する「溝縫い」という難易度の高い技術を用いています。規則正しく真っ直ぐ入ったステッチは美しく、手帳全体をスマートな印象にしています。